<2006年5月例会教育より>

「ストーリーテリング」
・・・・・・物語、お話を覚えて語って聞かせること。

1 聴衆を分析する:年齢、関心ごと、一般的な特徴、感受性などを考慮する。

2 物語を選ぶ。(ストーリーの目的やねらいを明らかにする。)
たとえばその物語は
・関心を深め、好奇心をかきたてるか?
・鑑賞力と理解を深めることができるか?
・倫理的な行為を強調できるか?
・ある点を特に浮き彫りにすることができるか?
・結論を充分納得させられるか?
・感動的なムードをつくりだせるか?
・楽しませることができるか? などを十分検討し物語を選ぶ。

3 物語を読む。
話し手は、始め物語を目読、次にその物語の効果的なことばや句に気を配りながら、声を出して読む。
強調、サスペンス、感情を盛り込む箇所では間を取り、その効果を試しながら、声を出して何度も読む。何度も繰り返し読む事により望ましい効果が得られ、細部をしっかりと把握出来るようになる。
ことばや句に下線を引き、
・この話は何を語っているか?
・クライマックスはどこか?
・この話の中で、大事な出来事は何か?
・骨組みとなる描写はどれ位あるか?
等を把握し、ストーリーテリングする時までに物語を覚える。

4 物語を分析し、概略する。
導入:次に来る事をはっきりさせる為、どんな細部を選ぶのがよいか ムードをかもしだす言葉や描写的な言葉をいれる。

本論:発端からクライマックスに至るまで、単純に話の筋の順序をおう。
長い話を短くして、本筋に必要な事件だけにする。
話に脈絡が二つある場合は、一つに削除する。

結論:簡単にする。話の筋道を一つの結末に持ってくる。

このようにストーリーの一切の装飾をとって、ごく基本の形をつくってみる。
あなた自身がその物語をよく理解する。

5 物語を実際に語ってみる。
・聴衆に話しかけるように、その物語を生き生きとさせる。
・その物語に没頭すると、顔の表情や身体の動きに実感が湧き、話が生き生きとしてくる。
・話が生き生きとしてくると、声、発音、テンポが自然に反応する。
・話を心で感じとり、それを伝える言葉をすっかり自分の言葉にする。
・その物語のムードにひたる。すると、聴衆も話し手につられて、同じように感じ、聴衆と一体になれる。
・率直さも大切である。
・必要以上の説明をしないこと。
・説教じみないこと。

声、表情、視線に気をつけ、感動的に話す。ことばやしぐさの真似は良いが、本当でないものを本当らしく見せかけない。
自然に湧き出てくるように話すのが望ましく、上手に示唆して、聴衆の想像力をかきたてるようにする。


2006年5月20日京都クラブ例会教育 中川愛子作成
参考資料:日本リージョン教育特集(1983年)
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