<2014年12月例会教育より>


教育 「プロ&コンについて」
1)プロ&コンについて

プロは賛成、コンは反対の意味のラテン語に由来する呼称。ディスカッションの1つで、ディベートの入門編。1つの論題を賛否両論の意見や考えを述べ合う事で、発想の転換や肯定的なものの見方や否定的なものの見方などの技術を身に付けることが出来る。プロ&コンの方式を使った有名人はアメリカ建国の父ベンジャミン・フランクリンと言われている。
※ディスカッションは意見の一致を目指した議論。
※ディベートは意見の対立を前提とした議論。

2)プロ&コンの目的

目的は論題に対して賛否両論の意見やアイディアを如何に沢山出すことが出来るかを競い、両者の意見やアイディアを全員で共有すること。発想が豊かで機知に富んだユーモアのある意見やアイディアをより多く出した方が勝ちとなる。プログラムとしての論題は抽象的でなく、又専門的でもなく、堅苦しくない社会性に富んだ話題が適切です。プロ&コンはディベートとは異なり、全員で「賛成意見」「反対意見」を其々ロールプレーする要領で順次意見や考えを述べる。それによって、全員が異なる視点を明確に意識して意見を出し合い、賛成・反対の意見や理由を共有することで、納得できる結論(決定事項)を見つけやすくなる。
※ロールプレーは立場になりきって演技や発言をする役割演技のこと。

3)注意点として

たとえ個人的に賛成であっても反対的な意見を述べなければならない。逆に反対であっても賛成的な意見を述べなければならない。

4)利点として

賛否両論の意見を出し合い賛成・反対の理由を共有することにより共通認識のもと理解を深めることができ、相手の立場になりきって物事を考えることも出来るようになる。 説得する力や相反する考え方が習得でき、寛容さや柔軟性を養う事が出来る。

5)活用法として

論題についてブレーンストーミングの要領で賛否両論を述べ合いより良い意見やアイディアを共有して、結論(決定事項)を導く単純型とプロ側とコン側の意見やアイディアを比較して優れた意見やアイディアをより多く出すことが出来たかを競い、勝敗を決めるコンテスト型がある。コンテスト方式ではプロ側とコン側の二手に分かれて、ブレーンストーミングの要領で多角的に意見を述べ合う。2回目では反対の立場で意見を述べる。賛成意見と反対意見を其々全て書き出して、審査し点数を付ける。其々の立場で優れた意見やアイディアを多く述べた側が勝利する。
※ブレーンストーミングとは問題点や解決方法について参加者全員が自由に意見を
出し合うコミュニケーション技法の1つ。集団思考のことで問題解決技法とも言う。

6)形式と手順について

≪基本形≫ プロ&コン

★プロ側とコン側の2つのグループで夫々の立場で、全員参加で意見やアイディアを自由に出し合う。
・プロ側は賛成の意見をどんどん発言する。
・コン側は反対の意見をどんどん発言する。
・次に立場を逆転して、意見を自由に発言する。
・プロ側は反対の立場で、反対の意見をどんどん発言する。
・コン側は賛成の立場で、賛成の意見をどんどん発言する。
・発言された意見は1・2回目共、黒板(紙)に書き留める。

★プロ側とコン側の発言を整理して、共通認識のもと納得できる結論に導く。

≪応用1≫ プロ&コン スピーチ
★スピーカーは論題を調査、分析して自分の立場を決め一人でプロ側とコン側の見解を述べる。
・論題に賛成ならば賛成の論点からスピーチをして、さらに反対の論点も述べる。
・論題に反対ならば反対の論点からスピーチをして、さらに賛成の論点も述べる。
・具体的な改革案や解決案を提示する。
・スピーチが終わってから質問を受ける。

★一人で両方の立場を述べることにより、一層論理的思考力が向上され説得力が養われる。

≪応用2≫ プロ&コン アーギュメント (アーギュメントとは議論をするという意味)
参加者:
・議長 (進行役)
・プロ側とコン側の2組
・記録係
・ジャッジ (奇数・議長が兼任しても良い)

方法:
・プロ側とコン側の人数は出来るだけ同数にする。
・意見やアイディアを発言するときは箇条書きの要領で簡潔明瞭にする。
・時間を決めていても、意見が出尽くしたようであれば途中でも止める。
・意見やアイディアを発言する人は挙手をして、指名されたら発言をする。
・アイディアを出す人が複数挙手をした場合、早いもの勝ちで指名する。
・両グループが挙手の場合は交互に指名する。
・プロとコンの立場を入れ替えて2回目を行う。
・1回目と2回目は違う意見を出し、同じものにならないように注意する。
・割当時間は1、2回目共同じにする。
   (意見を出す時間の目安として、5人位の体制は3分程度、10人位は5分程度)

判定:
・意見が沢山出た方を勝ちとする。
・意見の内容が似ていたら質が高いと思われるものが優位に立つ。
・プロとコンが同点ならば、より質の高い意見やアイディアを出た方が勝利を収める。


2014年12月19日 例会教育 西原久美子作成
参考資料:京都クラブ第31期1月例会教育(大野三恵子作成)
第12期堺東クラブ・都クラブ教育委員会資料, インターネット情報、他