<2006年10月例会教育より>
「 音読の効果 」
東北大学教授の川島隆太先生の「脳を鍛える大人の音読ドリル」によると1日3分間のドリルで脳を鍛えることが出来るとされています。それも脳が最も活発に働く午前中が理想的です。

脳の働きは青年期(20歳台)を過ぎると加齢とともに低下していきます。これは体力や筋力が年々低下するのと同じことです。体力や筋力は毎日の運動習慣で低下を防ぐことが出来ます。同じように毎日積極的に脳を使う習慣をつけることによって脳の機能の低下を防ぐことができます。

体の健康を保つためには次のことが必要です
@運動をする
Aバランスのとれた食事をとる
B十分な睡眠をとる

脳の健康を保つためには次のことが必要です。
@脳をよく使う習慣即ち脳の運動をする
Aバランスのとれた食事をとる
B十分な睡眠をとる

では脳を使う習慣をどうしてつけていけばよいのでしょうか。
それには簡単な計算問題を速くとくこととすらすら音読することが脳の働きに効果的だとされています。近年脳や体にダメージを与えることなくMRIや近赤外光を用いた光トポグラフィーで脳の働きを画像化することが出来るようになりました。その結果「本を黙読する」と「本を音読する」時の脳の働きをくらべてみると音読することによって脳がより多く働くことが解りました。本を読んでいる時は前頭前野を含む左右の脳の多くの領域が働いていますが音読の時の方が黙読と同じところがより強く大きく働いています。又音読スピードが速ければ速いほど沢山働いていることも解っています。

人間の左右の大脳は大きく分けると4つの部分に別れます。前頭葉の大部分をしめる前頭前野は人間だけが特別に発達している部分であり創造力・記憶力・コミュニケーション・自制力などの源泉です。前頭前野をよりよく働かせるには音読が効果的です。また簡単な計算を速くとくのもよいようです。左右の脳の多くの部分が活発に働いて前頭前野も大いに働いています。複雑な計算問題に取り組んでいる時は左脳の前頭前野は働いていますが右脳は働いていません。テレビを見ている時の脳は物を見る後頭葉と音を聞く側頭葉つまり4つの部分のうち2つの部分のみが働いているとのことです。


2006年10月20日 京都クラブ例会教育 田中郁子作成
参考資料 川島隆太著 「脳を鍛え入る大人の音読ドリル」
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