<2014年10月例会教育より>

ロバート議事法の起源と原則
議事法は
意思決定を目的とする会合(つまり、何かを決めようとする会合)で、個人の権利を守り、議事を整然と進めるためのルールです。



議事法は古代に始まります。
紀元前350年、ギリシャの枢密院では、会議は「礼儀と公平」を重んじ、最終決定は過半数によると制定していました。議事運営手順はイギリスからアメリカに渡り長い歴史の変遷を経て、(中略)アメリカのヘンリー・ロバートが1876年に176ぺ−ジの「ロバート ルールズ オブ オーダー」を出版しました。以降、改訂に改訂を加えられてきたのが現在の「新改訂版ロバート議事法」です。殆どの国際会議がこれを基にし、それに加えて夫々の団体規則を採用して会議・運営を行っています。 ITCではアメリカ・カナダなどがロバートを、オーストラリアではレントンの議事法を採択しています。



日本の議事法の始まりについて:
日本にITCが誕生したころは、英語のロバート ルールーズ オブ オーダーを 私的に訳して使用していました。京都クラブが設立された頃は、日本青年会議所が行った簡単な抄訳を参考にしたりしました。 '83「ITC議事法マニュアル」の翻訳出版が行われると、ここで初めて議事法を日本語で取り組むことが本格化しました。 その後'86年安藤仁介氏の翻訳による「ロバート議事規則」が発行されましたので、常田はそれを日本リージョンに紹介しました。



議事法の目的は
秩序ある会合の運営−
審議の促進    −
公平の維持    −
これが最低基本でしっかりと身に付けておかねばばなりません。


原則として
1)すべてに対して礼儀と公平、相手の尊厳を守り、礼儀正しくということは最も守るべき大切な原則です。ITC では礼儀はあらゆる場面で求められます。
2)一時不再議・・・一度に一つの審議事項しかしません。一つの動議を終了してから次に移ります。堂々巡りをしないように、一度審議したことは蒸し返しません。これは会議を混乱させないためです。
3)多数意見の尊重・・・殆どの採決は過半数で決まります。
4)欠席者の権利の保護・・・少数者の意見にも耳を傾け、欠席者に不利にならないように計らうこと。例えば、会費の値上げが予告されている議案の審議の時に、予告されている金額以上の修正はできません。欠席者は予告された金額しか知らないからです。たとえば5,000円と予告された金額を6,000には修正できません。
5) 会則はすべてに優先・・・マニュアルは参考書です。
ITC/リージョン/カウンスル/クラブ全ての会則に反することはできません。


議題の処理は、
呼びかけ→提出(動議・決議案・勧告)→セコンド→取り上げ宣言→討議 (修正)→表決→表決結果
なぜセコンドが必要なのでしょうか。ただ一人のみの提案では審議に入りません。それを審議しようという他の意見<セコンド>があって初めて取り上げます。セコンド不要の動議もありますが、 会員はそれを審議したいと思ったら、セコンドの声をあげましょう。



議事日程とは、
議事を行うための順序(アジェンダ)をいいます。 一定の順序があります。


・開会宣言 (ビジネス開始宣言)
議長のビジネス開始宣言がなければビジネスに入れません。


・ロールコール
定足数確認は審議の前に必ず行わねばなりません。定足数の出席のない会議では何も決めることは出来ません。


・前回議事録朗読
会員は前回に自分たちが何をしたかを正確に知った上で、今日の議事に責任を持って参加します。 前回に自分たちの決めたことを再確認します。朗読を省略した場合には次回例会でそれを先に朗読します。


・前回議事録の承認
議長は訂正の有無を尋ね、承認を得、結果を議事録に記載します。


・通信
審議の必要な通信のある場合は、新議事で取り上げます。


・会計報告
会員は会費の現状を知り、支払の承認を与えます。承認を得られない支払いは出来ません。立て替えた本人はたとえそれがクラブの支出であっても承認が得られなければ、支払われない場合があることを心しておかねばなりません。全額承認されないときは、会議の決めた金額のみ支払われます。 支払請求は動議を出して処理することになっていますが、ビジネスのスピードアップのために総意でしても良いとなりました。ただし、総意の場合、一人でも反対があれば、討議に切り替えます。


・役員報告

・カウンスルへの派遣員報告

・役員会報告
書記が役員会開催の報告と勧告があれば提出をします。


・委員会報告
上記のそれぞれの報告は、報告事項の中で審議すべき事項のある場合に、 それを提出された議事として取り上げねばなりませんから、予定審議の前に報告を行う手順になっています。


・審議事項は
・一般審議事項(一般予定議事) ・特別審議(特別予定議事) ・再審議・審議未了未了事項(継続審議)があります。


・特別審議事項は、
前回時間を指定されて特別審議事項になったものをいいます。選挙など会則で時期の決められているものは言いませんので、混乱のないようにご注意ください。


・アナウンスメント

・閉会宣言
               


2014年10月17日 京都クラブ例会教育 常田道子作成
 
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