<2008年10月例会教育より>

「 バザーとオークションについて 」
バザーとは、学校や教会の資金調達のために、自らにとっては不用品ではあるが、金銭的価値のある物を持ち寄って販売し、その利益を寄付するというもので、他に幼稚園や障害者の福祉作業所、共同作業所、ソロプチミストなどの奉仕団体でも行っています。

語源は、英語のbazaar(バザール) この語源はペルシャ語の市場を意味し、 ペルシャ語の市場の語源はパフラヴ語で「値段の場」を意味します。 英語では、boot fair(それぞれの家庭でいらなくなった物をboot(車のトランク)に入れて持ち寄る)とか、fancy fair,などともいいますが、 一般にイギリスでは、jumble sale(寄せ集めの),北米では、rummage sale(かき回わすという意味で、即売会)というそうです。 どこの国でも、不用品を持ち寄って、その売り上げを慈善にという発想は共通しています。

学校では、PTAの役員会にバザー担当係が置かれ、同窓生や生徒の各家庭から集められた寄付の品物が売られたり、子供たちのために、楽しいゲームやイベントを行ったりし、また食べ物の模擬店の出店もあります。

バザーとオークションの違いは 品物の値段が市価より安くなっていくのがバザーで、反対に、品物の値段が購買したい人によって高くなっていくのがオークションといえます。

オークションとは、「競売」競り売りのことを言い、複数の買い手に値をつけさせて、最高価格を申し出た者に売る方法のことを言います。

世界中で知られているオークションハウス(競売会社)は クリスティーズとサザビーズですが、クリスティーズは長年のライバル社であるサザビーズと比べ、より大きな市場占有率を幾年にも亘って保持してきており、収益からみるとクリスティーズ社は現在、世界で最も規模の大きいオークションハウスと言われています。

1766年美術商のジェームズ・クリスティーにより、イギリス・ロンドンに設立され、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ジュネーブ、アムステルダム、ローマ、ミラノ、香港、シンガポール、バンコクと世界中にオークションハウスがあります。

また1978年に設立された「クリスティーズ・エデュケーション」は、 ロンドン・ニューヨーク・パリに拠点を置き、美術への関心と職業的訓練を身につけたいと願う人々へ、美術・装飾美術分野の広範囲に亘ったコースを提供し、好奇心と思考の独立を奨励する唯一の国際機関で、大学院修士課程のディプロマ(卒業証書)・学位レベルまで、教科コースを直接運営している、世界でも唯一のオークションハウスです。
「クリティーズ・エデュケーション」の同窓生は、学芸員、美術商、評論家、など世界中の美術分野の第一線で活躍しています。

クリスティーズやサザビーズはオークションの王道と言えますが、今やありとあらゆる品物を、オークションハウスへ行かずに、ネットオークションで買うことができます。

ヤフーオークションや楽天オークションなど多数のネットオークションがあり、 そのカテゴリーは本、雑誌・芸術、工芸・アンティーク・家電、カメラ・自動車・不動産・ペット・旅行券、チケットなど広範囲にわたっています。
初心者向けにインターネット・オークションの出品手順、発送、梱包の方法、評価の付け方などの説明もあり、不用品をユーザー間で自由売買したりもできます。

このように手軽に楽しみながら利用できるネットオークションは、今後もっと市場が広がる傾向にあると考えられます。


2008年10月19日 京都クラブ例会教育 米澤良子作成

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